神社を中心にして、地域のコミュニティを活性化させることを目的に活動をしています。
神職とは別に『紡ぎ舎』を立ち上げ、現在の柱は以下の4つです。
境内に短冊付き風鈴約600個を飾り、涼音で疫病退散を祈願。始めた当初は100個からスタートし、夫婦だけの思いから始めました。
年2回(7月・11月)開催。農産物・クラフトなど約15〜30店舗が出店。参道が交流市場となります。今年で5年目。夏は7月12日無事開催されました。次回は11月16日開催します。
さまざまな人が利用可能。神社が公民館のように地域の人が集まれる場所として活用されています。
昨年、クラウドファンディングを実施し、建物の修繕、トイレ、キッチン、Wi-Fiも整備し、『人が集まれる神社』としての環境が整いました。
疲れた心や身体を癒す場所を提供(神が宿る植物まこもの「まこも蒸し」、祝詞を書き写す写典体験など)。
2020年、コロナ禍により参拝者が激減し、先の見えない社会状況となる中、数年後には神社の代替わりも控えていました。無病息災・導きの神様として、長く地域の心の拠り所であった境内から人影が消え、祭礼は中止され、若年層が伝統行事に触れる機会も失われました。その結果、地域コミュニティは次第に希薄になっていきました。
こうした状況に対し、私たち夫婦は強い危機感を抱きました。「守る」だけでは不十分であり、中山間地域の小さな神社であっても、他の地域が参考にできるような「力になる」存在を目指すべきだと考えたのです。そこで、コロナ禍を契機に、女性神職としての活動を開始し、視点を女性目線へと転換しながら、神社の役割や関わり方を見直していきました。感染症対策によって分断された人々のつながりを取り戻し、1350年に及ぶ歴史を次世代へと継承していく担い手を増やすこと。これが、私たちの活動の原点です。
■若年層の地域文化継承断絶
伝統行事や神社との関わりが身近に感じられず、次世代への文化の伝承が途切れつつある。
■コロナ禍による地域コミュニティの分断
感染対策の影響で人が集う機会が失われ、神社を通じた地域内のつながりが希薄になった。
■後継者問題
神職や地域の行事を支える人材が高齢化し、次の世代への引き継ぎが大きな課題となっている。
活動を通じて、鷺神社は地域の“心の拠り所”として再評価され、経済・文化の両面でポジティブな変化をもたらしています。
イベント参加者からは「また来たい」という声が多く寄せられ、来訪者の増加が周辺地域の回遊や消費を促進し、経済の活性化にもつながりました。
また、2025年1月〜6月には、月平均3回のイベントが開催されており、神社が人と人をつなぐ新たな交流拠点として機能し始めています。
日々のInstagram発信を5年間継続した結果、若い世代から風鈴の洗浄やご縁市への協力を申し出る声が上がるようになり、今年からはボランティアの募集も始まりました。
参拝者の中には、他の神社では得られなかった体験や関わりに魅力を感じ、「自分の暮らす地域の神社にも関わってみたい」という気持ちが芽生えたという声もあります。
こうした動きが、地域文化を次世代へつなぐ新たなきっかけとなり、他の神社にも波及することが期待されています。
2025年の御鎮座1350年という節目を契機に、鷺神社を地域共生の拠点として再定義していく方針です。
その一つの取り組みとして、地元食材を活かした小さなカフェの開設を構想しており、平日でも人が自然に集える常設の居場所をつくりたいと考えています。神社が日常の中に溶け込む場となることで、地域の暮らしにより深く関わっていくことを目指しています。
また、日本人としての意識を高め、地域に根ざした伝統文化を継承していくことも重要な役割と捉えています。神職として、子どもから大人まで幅広い世代と関わりを持ち、地域のつながりを育んでいくことが求められています。
さらに、お話会などの場を通じて、神社を起点に日本の伝統や価値観を伝えていく機会を設けていく予定です。これらの取り組みによって、鷺神社が単なる信仰の場ではなく、人と文化が行き交い、支え合う地域の拠点となることを目指しています。
神社関係の各団体と今後、連携を密に取り協力をお願いしていく予定です。
【連携団体】三次市
【連携内容】女性起業家支援制度「三次アントレーヌ」に採択、広報・出店コーディネート
【連携者】地域有志 約10名
【連携内容】風鈴の洗浄、制作、マルシェ運営、駐車場誘導、高校生ボランティアの受け入れ
| 団体名 | 紡ぎ舎 |
|---|---|
| 代表者 | 圓藤恵 |
| 取組期間 | 2020年9月から現在約6年 |
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