「こどもをまんなかにまちをつくろうや」を合言葉に、子育てや教育に関する活動に取り組んできました。
少子高齢化や人口減少、若者の流出といった社会課題に加え、核家族化や移住者の増加など、地域の変化に伴う多様なニーズに対し、「自分たちにできることから始めよう」と有志が集まったことが活動の原点です。
現在は、NPO法人むかいしまSeedsとして、「みらいのこども舎」「Waku Waku Gakko」「ユーズセンターズ オノミチ」という3つの地域団体が統合して生まれた団体として活動しています。
これらの団体は、メンバーが共通していたこと、また広報や資金面に同じ課題を抱えていたことから統合に至りました。
活動の軸は「子どもの育ち」であり、幼児から若者までが安心して過ごし、学び、挑戦できる環境づくりを進めています。
地域の自然や人とのつながりを大切にしながら、「地域に必要」と感じることに対して柔軟に取り組んでいます。
子どもや若者の成長を真ん中に据えることで、世代や立場を超え、地域が未来志向で語り合える場づくりを目指し、活動を続けています。
子育てには親の力だけでなく、周りに暮らす人たちの協力が必要です。
多様性のある環境の中で一緒にやること、子育てはそれほど崇高なことだという思いが込められているのかもしれません。
向島や尾道の風土にしっかりと足をつけ、周りの自然や環境を活かして、子どもたちにはのびのびと遊び、健やかに育ってほしい。大人も安心して子育てを楽しみ、心豊かに生きていけるようにと、2016年に活動をはじめました。
子ども達や子育て世代の当事者として、野外活動や有識者による講演会、対話型ワークショップ、地域の方との創作活動などを通じて、年齢や背景を越えた多様なつながりが育まれて来ています。
尾道市向島地区では、人口減少や少子化に加え、空き家や耕作放棄地の増加、地元企業の若い働き手の減少、地域を支える人手の高齢化、自然の中で自由に遊べる場所の減少、働き方の多様化への対応の遅れ、不登校の子どもが安心して通える場の不足、若者の地域離れなど、複数の課題が重なっています。
特に、「子どもや若者が自分らしくいられる場」や「保護者が本音を話せる場」が不足していると強く感じました。
2万人が住む向島には、保育園・幼稚園のほか、小学校4校、中学校2校、高校1校があり、教育環境が不足しているわけではありません。
ただ、地域の課題やニーズが多様化する中で、子どもが遊び、学び、地域とつながれる多様な居場所があることで、そうした課題に対して住民自ら解決策を生み出していけるのではないかと考えました。
私たちは、市民による学び合いの場づくりや野外活動、居場所づくりに取り組んでいます。
十分な資金はありませんが、互いに助け合い、多くの方の協力と自然の恵みに支えられて歩んできました。
耕作放棄地を子どもたちと耕し、山の恵みや廃材で木工に挑戦しました。海へ続く散歩道を計画し、伐採した植物を地域の方から分けていただいて草木染めを行いました。
築150年の古民家では島で駆除された猪肉でバーベキューを楽しみ、地元の造船所の会議室では対話の場も設けました。暮らしのなかで、こうした活動を積み重ねています。
空き家や空き地を活用し、地域のみなさんに協力いただくことで、子どもたちが地域の豊かさや多様な営み、温かさに出会う機会が生まれています。
私たちは未就学児の子育て当事者が集まって始まりましたが、子どもたちと集う大人の成長に伴い、島の新たな資源やまちづくりの可能性に共感する協力者が広がっています。
すべての人の声が生かされ、尊重され、地域と響き合い、未来へとつながる活動を目指しています。
みらいのこども舎/2019年~
向島の自然や地域の魅力を集め、手仕事など幼児期に大切な体験を育てる自然保育団体。
3〜5歳の預かりクラスと何歳でも参加できる親子クラスがあり、保護者同士のつながり作りも大事にしています。
広島県自然保育認証制度 登録園(2023年〜)
(2024年)年間参加者数(ユニーク数):
幼児(預かり)おひさま組 26人
幼児と保護者 わかば組 19人(こどもの人数)
小学生以上 にじ組 25人
WAKU WAKU GAKKO 尾道(オルタナティブスクール)/2023年~
「本気で遊ぶ・対話する・本物に出会う・仲間をつくる・挑戦する・探究する」をキーワードに、こどももおとなも共に学ぶ場です。自然体験や地域学習、探究学習などを通じて、自己信頼と相互尊重に根ざした学びのスタイルを育んでいます。
主に小学生を対象に、中学生も希望に応じて受け入れ、自立のためのサポートを行っています。
(2024年)年間参加者数(ユニーク数):14名
こどもが自己決定できる環境を整え、自己信頼を育む「暮らし」の中での学びの場として成長。音楽活動やイベント出店、給食づくりの自主管理、地域フィールドでの体験活動が充実。
ユースセンターズオノミチ(10代の居場所づくり)/2022年~
地域のカフェやゲストハウスなどの協力のもと「ユースセンター」として活用し、主に10代の若者に「安心できる居場所」や「人とのつながり」や「活躍の場」を届ける活動をしています。若者たちが人とつながり、挑戦し、社会とかかわる機会をつくるとともに、ユースワークの質を高めるための研修や他団体との交流も実施しています。
(2023年〜)尾道商業高等学校との連携
(2024年度)利用人数(延べ人数):
対話型イベント参加者数 83人
地域でチャレンジした人数 119人
その他
尾道市より子育て支援センター受託運営(2016〜2021年)
ローカル子育てサミット(2018年〜年約1回ペースで7回開催)
向島・尾道地域で、まちづくりと子育て・若者支援の活動をつなぎ、多様な人の声を生かして、地域の持続と活性化に寄与していきたいです。
子どもの遊び方・学び方の選択肢が充実した島として、子育て世代が安心して暮らせる環境を整え、移住促進や地元企業の雇用拡大につなげます。
さらに、県外を含む多様な大人とのつながりを活かし、人材育成と雇用創出も目指します。
また、これらの実践を通じて「こども・若者起点のまちづくりモデル」を確立し、地域の魅力発信にもつなげていければと考えています。
朝食屋『きっちゃ初』、ゲストハウス、ソーシャルキッチン『Social Kitchen Onomichi』、私設図書館『Honne』、カフェ、レンタルスペース『喫茶ニワトコ』、カフェ『Hello!』、里山の古民家フリースペース『フルーツヒルズ』、コミュニティスペース『わたの家』、身体表現のコミュニティ『身と間の様相』
映像作家、映画監督 田中トシノリさん、農家 トーマスさん、アーティスト 村上大樹さん、百姓 竹本泰広さん、シシガール 長光祥子さん、わらべ歌 前田和子さん、ボランティア 長岡圭子さん、小川祐子さん、アーティスト集団 ミラーボーラーさん、ラッパー マキバオーさん、ミュージシャン キスミワコさん、グラフィックデザイナー 長友浩之さん、DXデザイナー 別府拓也さん、WEBデザイナー 岡村虹二さん、WEBデザイナー 藤本なおさん、小学校教員 成川けんたさん、スクールソーシャルワーカー 藤井千晶さん…and more
広島県立尾道商業高等学校、尾道市立向島中学校
尾道青年会議所(JC)、るりとまつり実行委員会、認定NPO法人カタリバ、NPO法人ETIC. 、NPO法人どりぃむスイッチ、一般社団法人 UMEプロジェクト、ひろしまNPOセンター、NPO法人西中国山地自然史研究会、さんけん(三段峡-太田川流域研究会)、CFCスクール、里山スコーレののはな、広島自然学校…and more
尾道市こどもの居場所づくりネットワーク
| 団体名 | NPO法人むかいしまseeds |
|---|---|
| 代表者 | 栗本綾子 |
| 取組期間 | 2016年〜 のべ9年間 ・みらいのこども舎(自然保育)2019年〜 のべ7年間 ・WAKU WAKU GAKKO(オルタナティブスクール)2023年〜 のべ3年間 ・ユースセンターズオノミチ(10代の居場所プラットフォーム)2022年〜 のべ4年間 3団体の統合は2025年4月〜 |
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