魅力ある取組の
更なる発展を目指して
広島県内の中山間地域にあるものを活かして
新しい価値の創造につなげる
東広島市豊栄町の地域おこし協力隊・大学生・市民が連携し、「菜の花 Salad Salt」の製作・販売を行っています。
町内の一般家庭・農家13件から菜の花をご提供頂いています。
商品企画においてはパッケージを昨年の1から3サイズに増やし、パッケージ自体を変更しました。
商品づくりでは、今年から学生・町民・地域おこし協力隊全員が菜の花の収穫、商品仕込みを行っています。
販売・発送では町内への来訪を目指し、町内店舗2件で商品設置、全国への発信のためECでの販売をしています。
また、地域おこし協力隊と学生で出張販売やマルシェ出店を行っています。
東広島市豊栄町で活動する地域おこし協力隊が料理教室を開催しながらヒアリングをする中で、家庭菜園やコミュニティが健康に寄与していること、町内に若い世代に届く地域の特産品がないことに気づきました。
また、東広島市の大学に通う大学生はまちづくりに対する関心や意欲が高く、地域課題の解決等に向けて地域と一緒にまちづくりを検討し取り組みたいと考えていました。
そこで、「緩やかに続くコミュニティづくり」と「お母さん方の手仕事と学生の新しい発想から生まれるものづくり」の両立を目指し、地域おこし協力隊・大学生・東広島市の地域住民が連携し、地域資源を利用した「菜の花Salad Salt」の製作・販売をスタートさせました。
ヒアリングの中で、配偶者の死による孤食の増加や、外出の減少が進んでいると声がありました。
また、地域のおばあちゃんからは、昔は集落内で20~30歳上の世代から「豆腐づくり」「味噌づくり」を教わる文化があったが、今の60~70代は教える下の世代がいないという話も聞きました。
平日は地域外に働きに出ており、土日に地域に顔をだす若い世代も減っています。
人に教えることが「生きがい」にもなっていたといいます。
息子娘が地域外で家庭を持つことが増える中、地域住民同士で関わりを持ち支え合うことは、心身共に健康でいるために重要性が増していました。
東広島市豊栄町には広島のへそ(真ん中)ら辺に位置することから生まれた商品「へそパイ」というお菓子があります。
現在70~80代の方が何十年も前に制作し、今も静かに地域の商品として認知されています。
しかし、新しい地域土産と呼べる商品が他に生まれていない現状がありました。
若い世代向けに、話題性を持って全国に流通させられる、常温で取り扱いやすい商品がなかったのです。
人口が減り続ける中、地域活性に取り組み続けてきた60代前後の世代に広がる危機感も強く、若い世代や地域住民が広く関わった斬新な取り組みが求められていました。
菜の花をご提供頂いている方々の募集は、町内の回覧板や町内メール、口コミなどローカルな方法によって拡散され、60代以上を中心に広まりました。
菜の花自体の提供や、口コミで知らせることによる商品づくりへの参加を楽しみ、商品自体の発想や物珍しさに驚きの声を頂く機会が増えています。
商品企画では、米農家とコラボした「菜の花おむすびセット」が実現し、米農家の既存顧客への商品認知が広がる機会となりました。
商品づくりでは、作業中に異世代交流が生まれ、お母さんの思い出話から地域の歴史が垣間見え、学生の話題から今の流行が見えるように。
お互いにこれまでなかった視点を得るかけがえのない機会となっています。
販売・発送では、昨年の販売数約110をすでに上回り多くの人に届き始めました。
「町民に愛されながら作り続けられること」「販路を拡大し商品周知を広げること」を念頭に、コミュニティビジネスとしての定着を目指していきます。
規模の拡大を目指すのではなく、地域内参加者が緩やかに増え、コミュニティとして心地よく継続させていく、若い世代に響く商品をつくり、その反応をダイレクトに味わいながら商品や活動への愛着を深めていく、そして数年で入れ替わる大学生との商品づくりを通して、時代の変化に対応しながら商品づくりを行っていきます。
一人ひとりの「良くなっているのかも」が積み重なり、見渡してみたら地域の大きな力として働いているビジョンを描き取り組んでいます。
団体名 | 菜の花くらぶ |
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代表者 | 岩﨑 幸誉 |
ホームページ | https://yasailabo.official.ec/ |