呉市安浦町女子畑地区の休耕地を活用し育てたヤギたちを連れ、保育園・幼稚園・小学校を訪問しています。子どもたち向けに大学生さんが編集してくださったヤギの出産の動画を見てもらい、いのちの誕生にふれます。それから実際に子ヤギを抱っこしてぬくもりを感じてもらい、聴診器で心音を聞いてもらうことで、子どもたちに「いのち」を感じてもらうというプログラムです。クイズなどを通して、ヤギたちが休耕地で草を食べて暮らしている様子も紹介し、中山間地域での人の暮らしとのかかわりについてもふれています。活動は町内のボランティアさん・大学生さんとチームで行っています。小学校では生活科の授業の時間をいただいてお伺いしています。
人口減により休耕地となった里山の田畑の再活性化を目指し、安浦町女子畑地区にて5年前よりヤギの飼育を始めました。ヤギが草を食べてくれることで休耕地に新たな役割が生まれるだけでなく、その愛らしさに多くの人が惹きつけられ、地域の人々の間に交流が生まれ、里山に活気が生まれました。
一般的には「田舎」といわれるこの呉市安浦町内においても、子どもたちが本物に自分の目で見たり触ったりする機会は減っていると感じています。机上や画面上で見るだけではなく、小さないのちのぬくもりや鼓動を感じてもらうことで豊かな心を育み、体験を通じて自分たちの住む町の魅力に改めて気づいてもらいたいと願い、出張ふれあい事業を始めました。3年ほど前から、町内の元保育士さん2人の声かけにより、ヤギたちを連れて近隣の保育園・幼稚園・小学校へ出向く出張授業を開催しています。
ひと昔前までは、里山では多くの家庭で当たり前のように飼われ、人々にとっても身近な存在であったヤギですが、近年彼らの持つさまざまな魅力に再び注目が集まっています。その魅力のうちのひとつが、人口減により休耕地となった里山の田畑の再活性化です。ヤギが草を食べてくれることで休耕地に新たな役割が生まれます。そしてその愛らしさに惹きつけられ、里山に再び人が集まります。それは人間の生活との関わりの深さと、人々に与える癒しの力の双方を持ち合わせたヤギならではの、地域資源としての魅力です。
また、里山からの人口流出、都市部への人口集中の傾向により、一般的には「田舎」といわれるこの呉市安浦町内においても、中心部と農村地域とでは環境が大きく異なり、そこに住む子どもたちの間でも生活における経験値には差があります。特に、子どもたちが本物を自分の目で見たり触ったりして、実体験として積み重ねる経験値が減っています。せっかくこんなに身近に豊かな地域資源があるのだから、机上や画面上で見るだけではなく、本物に見て触れて感じてもらうことで豊かな心を育んでいってほしいと考えました。少しですが自身も臨時教員として学校教育に関わっていたことや、安浦町在住の元保育士さん2人(うち1人はヤギ飼い仲間)がヤギたちを連れての保育所訪問を提案してくださったことも大きな後押しとなりました。
ヤギを飼育し牧場を始めたことで、女子畑地区への見学者・来訪者が増加し地域により活気が生まれました。また、地域の方が収穫した野菜の捨てていた部分(キャベツの外葉など)を持ってきてくださるなど交流が増えました。
出張ふれあい事業を通じて、子どもたちが本物を見て触れて体験し、ゆたかな心を育むことができる機会になると考えています。安浦町内の子どもたちにとっては自身の住む町の魅力に気付くきっかけにもなり、町外への出張によりその魅力を広く外へ広めることもできていると考えています。
やぎさんと「いのちのおはなし」開催実績
開催先および参加者人数
のべ参加人数 約900名
これまで、自分たちが出向くことで子どもたちの体験の場を提供してきましたが、これからは地区の方々ともより一層協力を深めながら、この女子畑地区に子どもたちを招待したいと思い描いています。具体的には、これまでの活動である『いのちのおはなし』に加え、ヒツジの毛刈り体験や刈った羊毛からものづくりをする過程で農村地域の人々の生活にふれる『羊毛しごと』を新たな活動として女子畑地区で始めたいと考えています。
今回新たに「ヒツジ」を迎え入れることにしたのは、ヤギと同様に除草効果がありながら、現在里山で個人宅で飼育されている例がヤギよりも少ないという希少性と、ヤギにはない「羊毛」を使った取り組みにより、地域の方々や子どもたちとの継続的な関わりの場を創り出し、町の新たな魅力づくりとして期待できると考えたからです。
団体名 | さいさい来ん彩女子畑 |
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代表者 | 割方遥花 |